歯周病は虫歯と同じく、細菌(歯周病菌)が原因で起こるお口の感染症です。プラーク(歯垢)に潜む歯周病菌が歯ぐきに炎症を引き起こし、進行すると最終的には顎の骨が溶けてしまい、健康な歯がポロッと抜け落ちてしまうこともあります。この病気は日本人が歯を失う理由の第1位であり、成人の実に5人に4人が罹患しているともいわれることから、日本人の“国民病”とも呼ばれています。
かつて重度の歯周病は歯槽膿漏(しそうのうろう)といわれており、高齢者が発症するものだというイメージがありました。しかし、免疫力と関係が深い歯周病は、身体の成長が止まった20代以降の大人なら誰しもが気をつけておきたい病気です。近年は発症の低年齢化が問題となっており、重度の周囲炎にかかる小中学生も増加傾向にあります。
歯周病は、ある程度進行しなければほとんど自覚症状が出てきません。以下のような症状がある場合、歯周病を発症している可能性が高いといえます。まずはチェックしてみてください。
痛み・出血・腫れ
- 歯ぐきに腫れがある
- 疲れると歯ぐきが腫れる
- ブラッシング時に歯ぐきから出血がある
- 何もしてないのに歯ぐきから出血がある
- 歯ぐきから膿が出ている
見た目
- 歯が前より長くなったように見える
- 歯ぐきの色がピンクではなく、赤色・紫色になっている
- 歯ぐきが下がってきたように見える
- 何もしてないのに歯ぐきから出血がある
- 歯ぐきがたるんで見える
口腔内の違和感
- 起床時に口腔内がネバつく
- 口臭がきつくなった気がする
- 歯と歯の間に食べ物がよく挟まるようになった
- 歯が浮いている感じがする
- 歯ぐきがブヨブヨとやわらかい
- 歯がグラグラ動いているのがわかる
15個のチェックボックスのうち、1つでもあてはまったら歯周病かもしれません。上記に当てはまるものがあれば、お早めに百合ヶ丘の歯医者「岸歯科医院」へご相談ください。歯周病は早めの治療と継続的な予防でコントロールすることが重要です。
歯周病は口腔内でだけ悪影響を及ぼす病気ではありません。近年の研究では、歯周病菌がさまざまな全身トラブルを引き起こすことがわかってきています。
血管障害(心臓・脳) | 肺炎 | 糖尿病 | 早産・低体重児出産 |
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歯周病菌は血管内で血栓をつくりやすくすることから、歯肉から血管内に浸入した歯周病菌が心筋梗塞・動脈硬化・脳梗塞などを引き起こす可能性があります。 | 歯周病菌が口腔内から気管へ入り込み、肺で炎症を起こすと肺炎になります。高齢者の誤嚥性肺炎の予防には歯周病に重点を置いた口腔ケアが有効です。 | 免疫力と相関が深い歯周病と糖尿病は、相互に悪化を招くリスクが大きいので注意が必要です。 | サイトカインという物質が歯ぐきの血管から体内に入り込み、子宮を刺激することで早産や低体重児出産を引き起こすと考えられています。 |
きちんと治そうとすると、1年近くかかってしまうことがある歯周病。そのため、歯科医院での治療だけでなく、合わせて患者さんの根気と生活習慣改善の努力が求められます。百合ヶ丘の歯医者「岸歯科医院」では、歯周病治療から適切なコントロールができるようになるまで、患者さんをしっかりサポートいたします。健康なお口になるまで、私たちと一緒に頑張りましょう。
スケーリング
歯にこびりついた歯石を「スケーラー」と呼ばれる器具で取り除きます。歯石はプラークが石化したもので、さらなるプラークの付着を招きます。歯周病の進行を止めるためにも、まずはこの歯石をしっかり取り除くことが重要です。
ルートプレーニング
ルートプレーニングは、歯の表面だけでなく歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)の内部にこびりついた歯石を取る処置です。「キュレット」と呼ばれる器具を用いてスケーリング後のザラザラした歯の表面をなめらかに仕上げ、汚れの再付着を防ぎます。
ブラッシング指導
歯周病の治療でもっとも重要なのが、歯周病菌が潜むプラークをお口の中にためないということ。そのためには、日々の正しいブラッシングが欠かせません。当院では、それぞれの患者さんに合ったブラッシング方法を指導いたします。歯医者での治療とともにとともに、継続して行う必要がある最重要ケアです。
外科治療
重度の歯周病では、通常の歯石やプラークを落とす処置では届かないほど、歯周ポケットの深くまで汚染されています。そうした奥深くの汚れを除去するために行うのが外科治療です。顎の骨がかなり溶かされている場合には骨の再生治療も行う必要があります。
※外科手術はご希望があれば対応可能ですが、再生は自由診療になるのでご了承ください